Uber Eatsとロケットナウ、飲食店が出店するならどっち?手数料・集客力・エリアを徹底比較【2026年最新】
フードデリバリーへの出店は、もはや「やるかやらないか」ではなく「どのプラットフォームでやるか」の時代です
2025年1月に日本上陸したロケットナウ(Rocket Now)は、2026年8月にはサービス対象エリアを46都道府県・420都市へ拡大したと発表し(*1)、老舗のUber Eats と並ぶ選択肢として急浮上しました。一方で2026年3月にはWoltが日本から撤退(*2)。市場の淘汰が進むなか、「どこに出店するか」の判断はこれまで以上に重要になっています。
本記事では、手数料・集客力・対応エリア・運用の4つの軸で両サービスを比較し、併用すべきか、1つに絞るならどちらかまでを整理します。
- サービス概要
- 手数料比較——「公開されているか」がまず大きな差
- 集客力——「基盤のUber Eats」vs「勢いのロケットナウ」
- 導入・運用——「始めやすさ」のロケットナウ、「広げやすさ」のUber Eats
- 併用か、一本化か——多くの店は「複数出店」している
- 結論
- 出典
サービス概要
| Uber Eats | ロケットナウ | |
|---|---|---|
| 日本でのサービス開始 | 2016年 | 2025年1月14日(*3) |
| 対応エリア | 全国47都道府県(*4) | 46都道府県・420都市(福井県が未対応)(*1) |
Uber Eats は10年にわたり日本市場で配達網とユーザー基盤を積み上げてきた最大手。ロケットナウは韓国Coupang傘下の資本力を背景に、ユーザー向け「送料・サービス料0円」を武器に急拡大している挑戦者、という構図です。

手数料比較——「公開されているか」がまず大きな差
出店判断で誰もが最初に見る手数料。ここで両社の最大の違いは、率の高低以前に公開されているかどうかです。
| Uber Eats | ロケットナウ | |
|---|---|---|
| 販売手数料(配達) | 35%(*6) | 非公開(出店申込時に個別案内) |
| セルフ配達 | 15%(*6) | 相当プランの公開情報なし |
| 持ち帰り | 12%(*6) | 公開情報なし |
| 決済処理 | 全プランに含まれる(*6) | 公開情報なし |
| 登録料・初期設定・タブレット | 公開情報なし | すべて0円(*5) |
Uber Eats は配達35%・セルフ配達15%・持ち帰り12%という料金体系を公式サイトで公開しており、決済処理も全プランに含まれます(*6)。事前にコスト計算ができるため、メニュー価格の設計や損益分岐の見積もりが出店前に立てられます。
一方ロケットナウは、初期費用・タブレット代0円は公式に明示されているものの(*5)、肝心の販売手数料率は公式サイトに記載がなく、申し込んで個別案内を受けるまで正確な条件がわかりません。
セルフ配達15%・持ち帰り12%という低率オプションの存在も実務上は大きな差です。スタッフが手すきの時間帯だけ自店配達に切り替えて手数料を圧縮する、テイクアウト需要を12%で取り込む、といった「選べる」運用はUber Eats ならではです。

集客力——「基盤のUber Eats」vs「勢いのロケットナウ」
Uber Eats の強みは、10年かけて築いた全国のユーザー基盤と注文の安定性です。MMD研究所の日米仏比較調査では、直近1年間に利用したフード注文・配達プラットフォームとして日本では「Uber Eats」が70.6%と最多でした(7)。「デリバリー=とりあえずUber Eatsを開く」という習慣を持つユーザーの厚みは、出店した瞬間から店の集客力になります。

一方のロケットナウは、送料・サービス料0円と「お店と同価格」プログラムという強力な集客装置で急成長中です。公式サイトでは「注文が2倍以上に増えた」「1日平均80食増えた」といった加盟店の成功事例も紹介されています(*5)。
ただし、ロケットナウの46都道府県対応は2026年に入ってからの急拡大です(*1)。エリアに含まれていても、地方や郊外では配達員の稼働数・ユーザー密度がまだ発展途上の地域があり、「対応エリアである」ことと「実際に注文が入り、配達員がすぐ捕まる」ことは別問題です。この網の成熟度は、現時点ではUber Eatsに分があります。
導入・運用——「始めやすさ」のロケットナウ、「広げやすさ」のUber Eats
出店までの流れ
導入のハードルは両社とも低く、いずれも公式サイトからのオンライン申込で始められます。
ロケットナウは「最短3分で申込」を公式に掲げており、店舗基本情報・営業許可証・メニュー表の3点を用意すれば申請できます。審査後はタブレット(iPadまたはAndroid)が無償提供され、メニュー登録から設置までサポートを受けられ、掲載開始まで最短1週間(最短1日で掲載可能)とされています(*5)。
Uber Eatsも公式サイトから登録を申し込む流れで、掲載後は注文管理・追跡、決済処理までがプラットフォーム側で完結します(*6)。
日々の運用
Uber Eats
すべてのプランに、注文の管理・追跡、決済処理、パフォーマンスデータ・売上分析へのアクセス、そして店舗・顧客・配達パートナーそれぞれに対応する24時間365日のカスタマーサポートが含まれます(*6)
ロケットナウ
専用のマーチャントポータルから注文状況や売上精算を確認でき、営業時間などの設定は店舗のタブレットのほかスマートフォンやPCからもリアルタイムで変更できます。サポートはAIではなく「専門オペレーター」が直接対応することを公式に掲げています(*5)
売上を伸ばす仕組み——差が出るのは「拡張性」
運用面で両社の性格が最も分かれるのがここです。
ロケットナウの武器は、店内飲食と同じ価格で提供する「お店と同価格」プログラムと、AIを活用して注文見込みの高いユーザーに店舗を露出するストア広告です(*5)。いずれも「ロケットナウのアプリ内でいかに注文を増やすか」に集中した設計といえます。
一方Uber Eatsは、アプリ内のマーケティングツール・広告に加えて、注文頻度の高い有料会員「Uber One」ユーザーへのリーチ、POSシステムとの統合による注文管理の効率化、さらに自店のウェブサイトや電話注文の配達をUberの配達網に任せられる「Uber Direct」、実店舗の厨房を活かして別ブランドを出す「バーチャルレストラン」まで、アプリの外側に広がる選択肢を公式に提供しています(*6)。
つまり、デリバリーを「試す」段階の始めやすさはロケットナウ、デリバリーを事業の柱に「育てる」段階の拡張性はUber Eats が上、というのが公式情報から読み取れる構図です。
併用か、一本化か——多くの店は「複数出店」している
ここまで読んで「結局、両方に出せばいいのでは?」と思った方も多いはずです。実際、その通りで、複数プラットフォームへの出店は業界の標準的な戦略になっています。
その規模感を示すのが「注文一元管理サービス」の普及です。複数のデリバリーサービスに出店した飲食店では、サービスごとに専用タブレットが増えていく——業界で「タブレット地獄」と呼ばれる状態——が問題化し、これを1台にまとめるサービス「Camel」は約1年半で累計250社・5,500店舗に導入されました(*8)。一元管理サービスがこの速度で広がること自体が、それだけ多くの店舗が複数プラットフォームを併用している証拠です。ロケットナウの公式成功事例に登場する店舗オーナーも「いろんなデリバリーアプリを使ってみた」と語っており(*5)、併用は現場の実感としても当たり前になっています。
ただし、併用にはコストがあります。注文はサービスごとに別々のタブレットに入り、品切れが出れば全サービスのメニューを個別に更新しなければなりません。ピーク時に複数の端末が同時に鳴る調理場の混乱は、一元管理サービスへの投資が成り立つほどの負荷です(*8)。人手に余裕のない店舗ほど、この運用負荷は重くのしかかります。

そのため、あえて出店先を絞る判断をする店舗もあります。オペレーションを1つのプラットフォームに最適化し、メニュー更新・在庫管理・スタッフ教育をシンプルに保つ戦略です。また、絞るつもりがなくても市場側の淘汰で絞られることもあります。2026年3月のWolt撤退では、Woltに出店していた店舗が突然その販路を失いました(*2)。「どのプラットフォームに軸足を置くか」は、撤退リスクまで含めて考える必要があるのです。
では、軸足の1本——最初の1社、あるいは唯一の1社——をどこにするか。ここはUber Eats が最適です。理由は3つあります。
規模と認知が最大
利用率70.6%と国内で最も使われているプラットフォームであり(*7)、全国47都道府県をカバーする配達網は10年分の成熟があります(*4)。「軸足」に求められる安定した注文量の期待値が最も高いといえます。
撤退リスクが最も低い
Woltやmenuの撤退が示したように、販路の存続性はいまや選定基準です。市場最大手であることは、その意味でも保険になります。
コストが計算できて、運用を選べる
手数料が公式に明示され(*6)、セルフ配達・持ち帰りの低率オプションで店側の工夫の余地がある。一本化するならなおさら、条件が透明なプラットフォームであるべきです。
結論

- 多くの店舗にとっての現実解は、Uber Eatsを軸足にした戦略。まずUber Eatsで安定した注文基盤を作る
- 余力があれば、ロケットナウを追加して送料0円の集客力を上乗せする(併用の運用負荷は覚悟の上で)
- 人手に余裕がなく一本化するなら、規模・存続性・透明性が揃ったUber Eats 一択
まずは、Uber Eatsのレストランパートナー登録から始めてみることをおすすめします。
出典
- Rocket Now公式プレスリリース「サービス対象エリアが46都道府県・420都市に拡大」(2026年8月7日)
- グルメWatch(インプレス)「フードデリバリーのWolt、3月4日をもって日本から撤退」(2026年)
- Rocket Now公式サイト(「2025.1.14 OPEN」表記)
- Uber公式ニュースルーム「Uber Eats、9月28日から徳島県、島根県、鳥取県、福井県でサービス開始!全国47都道府県をついにカバー」(2021年9月)
- Rocket Now公式 出店申請ページ
- Uber Eats公式 料金ページ
- MMD研究所「日米仏3ヶ国比較:都市部消費者の食の意識・動向調査 第2弾 〜フードデリバリー編〜」(2023年2月実施・2023年3月20日公開)
- ダイヤモンド・オンライン「デリバリー市場拡大で飲食店悩ます"タブレット地獄"解消へ、5500店舗導入『Camel』が3億円調達」 【注: 記事は2023年時点の数値】
※本文中の情報はすべて2026年8月時点。