【飲食店向け】フードデリバリー・テイクアウトに必要な営業許可について

noshiftデリバリーワーク編集部

飲食店を開業するときに、業態問わず必ず必要になるのが営業許可です。

すでに飲食店を経営している方や、今から開業を検討している方が、フードデリバリーやテイクアウトを導入するにはどんな許可書が必要なのか、正確にはご存じない方が多いのではないでしょうか。

この記事では、これからUber Eats や出前館などのフードデリバリーを導入するかた向けに、とても簡単にザックリ解説をしていこうと思います。

※なぜザックリ解説かというと、詳しく説明しても各市町や保健所によって若干異なる場合があるからです…。

許可書の申請前に「どの営業許可が自店に必要なのか」を判断する目安にしていただけたらと思います。

目次
  1. 飲食店経営に必要な資格や許可書について
  2. 主な営業許可書一覧
  3. 営業許可まとめ

飲食店経営に必要な資格や許可書について

飲食店営業許可

飲食店を経営するなら必ず必要な許可書です。
飲食店を経営するなら必ず必要な許可書です。

飲食店を開業する場合、業態に関わらず必ず何かしらの営業許可が必要です

一般的な飲食店の営業許可書は、主に飲食店営業と喫茶店営業の2種類あります。

ただし、喫茶店営業は令和3年6月1日に飲食店営業に統合されたので、今現在は新たに申請することはできません。

ちなみに、営業許可書の取得にかかる期間は、保健所へ申請書類を提出後、検査や審査などで大体2~3週間かかるので早めの手続きがおすすめです。

飲食店営業許可については、別項目で詳しく解説します。

店舗工事を行う場合は、施設工事完成予定日の10日くらい前に提出しましょう。

注意店として、工事着工前に図面を持って必ず保健所に相談することを忘れないでください。着工してから検査不適合になったら目も当てらないです…。

食品衛生責任者

食品衛生責任者は基本的にキッチンを清潔に保つのがお仕事です。
食品衛生責任者は基本的にキッチンを清潔に保つのがお仕事です。

食品衛生責任者は飲食店に必ず1名以上在籍しなければいけません。

食品衛生責任者の役割を簡単に説明すると、食中毒を発生させないように厨房内を清潔に保ったり食材を管理したりすることです。

食品衛生責任者は講習会に参加すれば、基本的に誰でも取得可能です。

※食品衛生責任者の資格には有効期限がないので、基本的には取得するれば一生使用できます。

講習会は各市町村で決められた施設で1~3か月に1回程度開催されますが、食品衛生協会によってはeラーニングで24時間受講できます。

※eラーニングで講習を受講した場合は、講習修了証書や食品衛生責任者プレートは郵送で送られてきます。

受講料は地域によって差はありますが、平均1万円程度準備しておきましょう。

※参考までに、eラーニングで受講する場合の費用は、12000円の協会が多かったです。

防火管理者

防火管理者には更新がある甲種と更新がない乙種の二種類あります。
防火管理者には更新がある甲種と更新がない乙種の二種類あります。

防火管理者とは店舗で火事を起こさないように、消防計画を作成したり防火管理業務を行ったりする責任者のこと。

防火管理者には「甲種防火管理者」と「乙種防火管理者」の2種類あり、店舗の延床面積が300平米以上の場合は「甲種防火管理者」、300平米未満の場合は「乙種防火管理者もしくは甲種防火管理者」が必要です。

※防火管理者が必要なのは30人以上を収容できる店舗の場合だけなので、小規模な飲食店やカフェの場合は不要です。

甲種防火管理者と乙種防火管理者では、必要な費用や講習内容が変わってきます。

どんな店舗でも管理者になれる甲種を取得するのがおすすめですが、甲種防火管理者は一定期間ごとに再度講習を受講する必要があるので、個人経営の方は乙種防火管理者でいいと思います。

また防火管理者は、店舗の営業開始までに所轄の消防署に届出をする必要があるので、開業計画を立てる前に資格を取得しておくのがおすすめです。

講習は一年中開催されていない地域もありますので、資格が必要な場合は余裕をもって取得計画を立てましょう。

講習費用は各防火・防災協会と所轄の消防署では異なりますので、詳しくはお住まい地域で防火管理者講習が受講できる機関に問い合わせてください。

※ちなみに、日本防火・防災協会は日本全国、ほとんどの地域で防火・防災講習を行っていますが、東京都・鳥取県・岐阜県と一部の市町村では各地域の消防本部(局)が講習を行っています。日本防火・防災協会の検索ページで確認して、講習が行われていない地域の方は、消防本部へ直接お問い合わせください。

主な営業許可書一覧

飲食店営業

定食屋でもデリバリーを行うお店が増えてきました。
定食屋でもデリバリーを行うお店が増えてきました。

飲食店営業許可は一般な食堂や旅館、カフェ・バーやレストランなどで食品を調理し、お客に飲食をさせる場合に必要な許可です。

急増しているフードデリバリーをメインに行うゴーストレストランでも、飲食店営業許可がないと営業はできません。

飲食店営業の許可内容を簡単にいうと

  • 食材を調理し食事を提供できる
  • コーヒーや生絞りジュースなどの飲み物を提供できる
  • ケーキやアイスなどのお菓子が提供できる
  • アルコールが提供できる

ザックリいうと、基本的にイートインで食事を提供する場合は取得しておいたほうが安全な許可書です。

※後述する菓子製造業許可だけでもイートイン販売は可能ですが、取り扱える商品に制限があるので、飲食店営業許可は菓子製造がメインのお店でも取得しておくのがおすすめです。

ですが、フードデリバリーやテイクアウトで商品を販売する場合、飲食店営業だけでは販売できないものも多くあります。

ちなみに、いつも店内で作っているメニューを、注文を受けてから調理しデリバリーやテイクアウトを行う場合は飲食店営業許可があればOKです。

しかし、その中でも例外があり、以下の商品(製品)を提供したい場合は別途申請が必要です。

飲食店営業に加えて別途申請必要な許可書を商品例を挙げてまとめてみました。

  • パン・ケーキ・菓子類などの販売 → 菓子販売業
  • アイスクリーム・ソフトクリームの販売 → アイスクリーム類製造業
  • 料理を冷凍して販売 → 食品の冷凍又は冷蔵業
  • 作り置きしたそうざいを販売 → そうざい製造業
  • ハム・ソーセージ・ベーコンなどの販売 → 食肉製品製造業
  • 味付けした生肉や衣を付けた揚げる前のトンカツを販売 → 食肉販売業
  • 刺身などの生魚の販売 → 魚介類販売業
  • 仕入れた食品をそのまま販売 → 食料品等販売業
  • 酒類の販売 → 酒類販売業免許

逆に言えば、上記以外のものは飲食店営業の許可範囲内だといえます。さらに詳しい営業許可区別についてはこちらから確認できます。

ただ、念のためもう一度言いますが、保健所によって取り扱える食品の概念が異なる場合があるので、勝手に提供を始める前に保健所の担当者に問い合わせをしてください。

※もし許可を持っていない商品を無許可で販売し続けた場合、刑事処分が下される可能性がありますので、今現在無許可で販売している危険性がある方はすぐに保健所へ連絡して許可を申請してください!

また、これから開業を考えている方は、取り扱い商品だけでなく店舗の構造にも気をつけなければいけません。

店舗を契約して、いざ開業という段階で許可が下りないという事態だけは避けないといけません。

開業予定の店舗が決まったら、必要書類を用意して必ず店舗施工前に保健所に相談に行くことをおすすめします。

開業手続きの流れはこちらから確認してください!

飲食店営業許可は令和3年6月1日に食品衛生法の改正による変更が行われました。(HACCP)

※令和3年5月31日以前に取得した飲食店営業許可は有効期限まではそのまま使用できますが、令和3年6月1日以降の飲食店営業許可とは内容が異なります。詳しくは最寄りの保健所に問い合わせてください。

喫茶店営業

昭和時代には純喫茶と呼ばれるコーヒーとトーストの店がありましたが今は見かけませんね。
昭和時代には純喫茶と呼ばれるコーヒーとトーストの店がありましたが今は見かけませんね。

喫茶店営業は、喫茶店やその他施設で飲物や茶菓をお客に飲食させる店舗が必要な許可です。

※喫茶店営業は令和3年6月1日以降、飲食店営業に統合されたので新たに申請することはできません。

飲食店営業と喫茶店営業の大きな違いは、飲食店営業はアルコールが提供できますが、喫茶店営業ではできません。

可能な調理方法は加熱調理のみで、喫茶店営業ではお菓子や簡単な軽食(トーストやロールパン)しか提供することができません。

菓子提供は簡単なケーキやアイスクリームをデッシャーで小分けする程度までは可能ですが、本格的なデコレーションケーキを提供する場合は後述しますが「菓子製造業」が必要です。

喫茶店スタイルでスパゲティやハンバーグ、サンドイッチや野菜サラダなど、調理が必要な食事を提供する場合は喫茶店営業ではなく飲食店営業を申請しましょう。

※この記事の内容であるフードデリバリーやテイクアウトを行うためには「喫茶店営業」では提供できる商品がかなり限定的になるので、基本的には飲食店営業が必要になります。

菓子製造業

菓子製造業許可書でイートイン営業もできるんです。
菓子製造業許可書でイートイン営業もできるんです。

菓子製造業はパンやケーキの他に飴や煎餅など、一般的に菓子といわれるものを販売する場合に必要な許可です。

菓子製造業許可を取得していれば 飲食店営業許可ではテイクアウトできないパン類やジャム、チョコレートなどのお菓子も販売が可能です。

※ちなみに、飲食店営業許可でもイートインであればパンや菓子類、ジャム・チョコレートなどのお菓子類を提供できます。

しかし、お菓子に分類されそうなアイスクリームは、イートイン・デリバリー・テイクアウト、販売方法を問わずアイスクリーム製造業の許可が必要になるので注意してください。

※ちなみに飲食店営業許可は、イートインであればアイスクリームの販売できます。

飲食店営業と菓子製造業を比較して、イートインとデリバリー・テイクアウトで取り扱いできるものを一覧にまとめてみました。

飲食店営業と菓子製造業で取り扱えるものまとめ
食品カテゴリ飲食:イートイン飲食:デリバリー菓子:イートイン菓子:デリバリー
調理が必要な食事××
焼き菓子・生菓子×
チョコレート×
ジャム×地域によっては×
アイスクリーム×××
パン×
サンドイッチ
ドリンク ×
アルコール×××

※ジャムのデリバリー・テイクアウト時の取り扱いは各自治体によって異なります。詳しくは保健所の担当者に必ずご相談ください!

極端な話、飲食店営業許可ではテイクアウトやデリバリーができない商品を販売したいときだけ菓子製造業を申請すればいいということです。

※基本的に、飲食店営業許可は菓子製造業許可がイートインで提供できるものをすべてカバーしています。

※ただし、飲食店営業許可と菓子製造業許可を一つの施設で同時に取得する場合には様々な制限があります。詳しくはこちら!

これから菓子製造業の営業許可書の取得を検討している方は、提供したい商品のレシピを持って保健所の担当者に本当に菓子製造業許可が必要なのかどうか、問い合わせるのをおすすめします。

アイスクリーム製造業

アイスクリームは手軽に作れるからこそ、デリバリーやテイクアウトをするなら許可申請をお忘れなく!
アイスクリームは手軽に作れるからこそ、デリバリーやテイクアウトをするなら許可申請をお忘れなく!

アイスクリーム製造業はアイスクリームやアイスシャーベット、アイスキャンデーなどを製造販売する場合に必要な営業許可です。

飲食店営業許可だけでも、イートインであれば手作りのアイスクリームの提供は可能ですが、フードデリバリーやテイクアウトで販売する場合はアイスクリーム製造業の許可が必要です。

今まで紹介した営業許可のすごくわかりやすいザックリした分類分け

  • お菓子をテイクアウトで販売したい → 菓子製造業
  • イートインでお菓子や食事を提供したい → 飲食店営業
  • アイスクリームをテイクアウトで販売したい → アイスクリーム製造業

ソフトクリームの原料(原液)を使ったソフトクリームであれば、基本的には飲食店営業許可だけでもテイクアウトは可能ですが、保健所によってはできない場合もありますので、新たに取り扱いを始める場合は保健所に相談することをおすすめします。詳しくはこちらを確認ください!

サムネのアイスクリームマシーンはお手頃価格で使いやすいと評判なので、興味がある方はチェックしてみてくださいね!PR

営業許可まとめ

イートインだけだった店舗が、Uber Eats や出前館、Woltなどのフードデリバリーやテイクアウトを導入するときに必要な主だった営業許可についてざっくり解説してきましたが、ある程度は理解できましたでしょうか。

許可関係なので、詳しく解説したいところではあるのですが、記事の初めでもお伝えしましたが、営業許可関連は保健所によって若干取り扱える商品の内容が違うので、この記事だけを読んで理解した気になっていただくのが危険なため、あえてざっくりと解説してみました。

結論をいうと、基本的に一般的な飲食店であれば飲食店営業許可だけで十分だと思います。

それに加え、手作りデザートをデリバリーで販売したい方は、菓子製造業も許可申請することになると思います。

ですがレシピを持って保健所に問い合わせに行くと、地域によっては菓子製造業ではなく飲食店営業許可で提供が可能ですよ!と言われる場合もあるので、この商品はどうなんだろう?と悩んだら保健所に相談しましょう!

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営業許可動画リンク

【飲食店には営業許可が必須!】ゴーストレストラン・フードデリバリーを開業・導入時に許可申請関係で迷うならこの動画を見てください!

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