Uber Eats の「スリコ」「みつお」って何?配達報酬300円時代が到来

noshiftデリバリーワーク編集部

UberEatsでは、2021年5月から配達報酬の新たな料金体系がスタートしました。

そのころから、1件あたりの配達報酬が300円となってしまう、通称「スリコ」が多発するようになりました。

その後、最低報酬額がやや増加して320円になり、こちらは通称「みつお」と呼ばれています。

Uber Eats 配達パートナーに登録しようと考えている方、すでに配達パートナーとして稼働している方、こういった報酬面での変更に不安を感じている方は多いのではないかと思います。

今回はそんなスリコやみつおに対する理解を深めるために必要な情報と対策を、配達件数10000件以上のベテラン配達パートナーの経験から紹介していきます。

目次
  1. そもそもスリコとは?
  2. 配達パートナーができるスリコ対策
  3. 配達パートナーのスリコに対する本音
  4. まとめ

そもそもスリコとは?

1件あたりの配達報酬が、300円となる状態のことを「スリコ」と呼ばれています。100円が3枚=スリーコインなので、略してスリコというわけです。

もちろんこれはUber側が使用している正式名称ではなく、配達パートナーの間で使われている俗称になります。某300円ショップの店名が由来ですね。

報酬が最低値になってしまうため、配達パートナーにとっては歓迎すべきではない現象といえます。

配達報酬が320円になる「みつお」は、単純に語呂合わせですね。

なぜスリコが起きるようになったのか

新料金体系になってUber Eats 側が配達報酬をコントロールできるようになったからです。

旧料金体系は受取料金・受渡料金・距離料金という3つの基本料金があり、どのエリアで何キロ配達したらいくら、っていうのが決まっていました。(基本料金とは別でインセンティブやチップも発生します)

それに対して新料金体系では、基本料金の具体的な計算方法が非公開になり、Uber側の言い値で報酬を決められるようになったのです。

新料金体系ではどのように報酬が決まるのか

2021年5月以降、全国の配達料金の計算式は以下のように統一されました。

  • ベース料金 + 配達調整金額 - サービス手数料

ベース料金が決まる要素

  • 配達に費やす予定の時間と距離
  • 商品の受け取り場所や届け先が複数あるか
  • 注文数や稼働中の配達パートナーの人数

配達調整金が発生する要素

  • 交通状況が混雑している場合
  • 商品受け取り場所での待ち時間が長い場合
  • 通常よりも配達の需要が高い場合

新料金体系では、どのような要素で配達料金が変動するのかは分かるのですが、その時々の正確な料金までは配達パートナー側には分からないシステムになっています。

つまり、ベース料金が最低値で、配達調整金が発生しなかった場合に300円(スリコ)になると推測されます。

ただ、これらの情報はUber Eatsから公式に発表されたわけではなく、今後予告なしに最低報酬額が上がったり下がったりする可能性はあります。

現在は320円(みつお)が最低報酬額になっています。

配達パートナーができるスリコ対策

ここまで解説してきたように、スリコは配達パートナーにとってできれば避けたいことです。完全にスリコを避けることは不可能ですが、少しでもスリコ以上の報酬が得られるように対策することは可能です。

私の配達経験からいえる対策としては、まずはスリコが起こりやすいエリア、時間帯、距離を知ることです。どのような状況でスリコが発生するのかを把握することで、スリコを避けて平均報酬額を上げることができます。

スリコは繁忙期(12~2月、6~8月)なのか、閑散期(3~5月、9~11月)なのかでも発生しやすさが異なります。

2パターンに分け具体的にどのような対策が有効なのか紹介します。(スリコ率50%以上を目安で紹介しています。)

スリコが起こりやすいエリア

同じ都市の中でも、スリコが起こりやすいエリアとそうでないエリアがあります。その目安となるのがヒートマップです。

ヒートマップ内はスリコが起こりにくい傾向があるので、なるべくヒートマップ内のみで配達を完結させるのが望ましいです。 ピーク料金による追加報酬も狙えますしね。

なお、繁忙期であればヒートマップ外でもスリコが起こる頻度は下がります。

スリコが起こりやすい時間帯

  • 繁忙期:9時半~10時半、14時~17時、22時~23時
  • 閑散期:7時~11時半、13時半~18時、21時以降

時間帯によってもスリコの起こりやすさは変わります。上記時間帯は、時期、エリア、距離に関係なくスリコが起こりやすい印象です。

つまりは、早朝、昼のピーク、夜のピーク以外の時間帯はスリコの頻度が高くなるということですね。閑散期ほどスリコが発生する時間帯が長くなるイメージです。

スリコでも取るべき距離

経験上、5km以上の配達ではスリコがほとんど起きませんでした。

そのため、短距離の配達はキャンセルしてしまうという手が使えました。(2021年11月以降は5km以上でもスリコが起きやすくなってます)

キャンセルばかりしていると配達リクエストが入りにくくなる、いわゆる「干された」状態になりやすくなります。

短距離の配達依頼が多いということは配達パートナーの数が十分に足りていて、ある意味配達距離が最適化されている状態といえます。

そんな状況では反応が悪い配達パートナーは後回しにされてしまっても仕方ありません。(詳細な配車ロジックは不明なのであくまで予想です)

私の場合は、繁忙期は2.5km以内、閑散期は4km以内の距離を目安にスリコであってもリクエストを必ず受けるようにしていました。

配達する都市によって配達距離はけっこう変わってくるので、あくまで目安と考えてください。

配達パートナーのスリコに対する本音

繁忙期であればスリコを避けながら配達していけると思います。副業ならまだしも、専業で配達している場合はどうやってもスリコを避けられないというのが本音です。

スリコについて、配達パートナーの友人たちはどう思っているのか話を聞いてみると、不満を持っている方が9割を占めていました。

やはり以前に比べて配達報酬の水準は下がっているので、不満を持つのも当然とも言えます。ただ、中にはスリコでも納得されている方も少なからずいました。

スリコ不満派の意見

  • スリコでは配達のモチベーションが保てない。
  • 他社アプリとの兼業を決めた。
  • クエストがクリアできないと報酬が大幅にダウンする。
  • クエストクリア後に配達する意味がなくなった。

私自身もスリコ不満派の1人です。

報酬額が下がったことに関してもありますが、Uberも利益を出していかないといけないので、報酬をばら撒いて配達パートナーを確保する時期は過ぎたのではないかと思われます。

それ以上に納得いかないのは配達報酬の不透明さです。

具体的な計算方法を公表していない以上どうとでも変えることが出来てしまうため、その報酬額が適性なのかどうか判断することができないし、スリコに対して抗議することもできません。

フードデリバリーは1社ではないので、納得いかなければ他社をメインにしていくべきでしょう。

スリコ納得派の意見

  • 今までが高すぎた。
  • これが適正価格ではないか。
  • クエストをクリアできればそこまで変わらない。
  • 鳴りが良いので他社に移れない。

Uber Eats では、誰しもではありませんが時給換算で2000円も3000円も稼いでいる人もいます。一般的な配達のアルバイトに比べるとかなり高額です。仕事内容に対して適正値に近づいたといえるのかもしれません。

報酬形態がクエストをクリアする前提で設定されている感じがあるので、基本報酬がスリコであっても完クリすればそこまで大きく減った感じはしないという人もいます。

自分の稼働スケジュールやクエスト回数の目標が合致していれば、スリコになってもそこまで気にならないってのはあるかもしれません。

フードデリバリーの種類が増えてきたといっても、地域によってはまだまだUber Eats 一強で、他のアプリは全然鳴らなず、選択肢に入らないのはあります。

他社が浸透してくれば鳴り問題は解決してくるはずなので、そのあたりは様子を見ながら稼働比率を変えていくのがいいんじゃないでしょうか。

まとめ

スリコ(みつお)は、Uber Eats の報酬計算が不明瞭になってしまい、報酬額が最低値になった時に起きる現象です。

配達パートナー側で、エリア、時間などを工夫してある程度回避することは可能ですが、完全になくすことはできません。

以前とは報酬形態が変わっているので、スリコ(みつお)は受け入れる必要があり、その分はインセンティブで補うような動きが必要になるんじゃないでしょうか。

ただ、配達エリアによってスリコ(みつお)の発生率が低いなど微妙に異なると思います。最終的には自分で考えて、創意工夫しながら稼働していくことが報酬アップに繋がります。

今まで通りUber Eats を続けるのもありですが、他社フードデリバリーと併用して件数を稼いだり、エニキャリタイミーなど時給アルバイトの配達員で確実に稼ぐのもありだと思います。

時代に合わせて稼働スタイルを確立していきましょう!

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