【専業配達員】自転車や原付バイクの年間維持費っていくらかかるの?

noshiftデリバリーワーク編集部

フードデリバリーで使う自転車や原付バイクは、購入費用だけでなく維持費用がかかります。これって実際どのくらいかかっているのか意識してる人は少ないと思うし、想像しづらいんじゃないでしょうか。

固定でかかる保険料や税金だけであれば簡単に計算できますが、それ以外にブレーキの消耗や各部品の劣化、パンク修理など突発的な出費がかかるのがその理由だと思います。

また、原付バイクはガソリン代、オイル交換代など自転車に比べてかかる費用が多く、修理費用も高額になってきます。

そこで今回は、Uber Eats などフードデリバリー専業で3年以上9000件以上の配達をしてきた経験や、配達員仲間から聞いた情報を基に、配達車両にかかる年間の維持費用についてまとめました!

目次
  1. ざっくりと年間維持費
  2. 自転車(クロスバイク)の年間維持費
  3. 原付バイク(50cc)の年間維持費
  4. 維持費用を抑える工夫
  5. まとめ

ざっくりと年間維持費

自転車とバイクで年間の維持費は大きく異なり、日々の稼働時間や頻度によってもだいぶ変わってきます。

専業で月25~40万円ぐらいの収入を目指して稼働した場合、週5~6日稼働で、1日の配達件数は25~30件必要になります。

1日の走行距離でいうと、自転車は70~110km原付バイクは100~130kmくらいになります。なかなか趣味でここまで走る人は少ないんじゃないでしょうか。

このくらいの距離を走ると年間の維持費は、自転車で4~9万円原付バイクで18~26万円ほどかかります。

具体的にどんな費用がかかっているのか、内訳はどうなっているかを紹介します。

自転車(クロスバイク)の年間維持費

自転車の維持費は、一年間でこのくらいの金額になります。

  • 固定費+変動費 … 42,600~94,000円

何にどのくらいかかっているのか、詳細を見ていきます。

固定費(毎年必ずかかる費用)

●任意保険料 … 3,600~18,000円

(月300~1,500円)

●定期点検 … 4,500~9,000円

(1回1,500~3,000円×年3回程度)

  • 固定費合計 … 8,10027,500円

任意保険はプランによって大きく変わります。補償を手厚くするほど高額になりますが、普通の人より専業配達員は万が一の確率が高いので、あまりケチらない方がいい部分です。

保険会社の方に教えていただいた情報ですが、家の火災保険の特約に自転車事故も含まれていることがあるため、まずはそれを確認しましょう。特約がなかった場合や、もしあっても補償内容が不十分だと感じた場合に、任意保険に別途入るのが良いそうです。

自転車の定期点検については、必要性があるのか疑問に感じる方もいると思います。しかし、故障は体の病気と一緒で、悪くなってから修理すると、他の部位に負担がかかっていて、結果的に修理費用が高くなりがちです。

以前、私はチェーンがサビて劣化していたにもかかわらず放置して使い続けた結果、ギアの歯まで交換する羽目になり、1万円ほど余計に修理費用を払った経験があります。

早めに見つければ簡単な修理で済むことも多いので、定期的に点検するオススメします。

変動費(修理や消耗品の費用)

●チェーン交換 … 1,000~3,000円(年2回)

(+工賃 1,500~3,000円)

●ブレーキパッド交換 … 1,000~2,000円(年3回)

(+工賃 1,000~1,500円×前後2個)

●ブレーキワイヤー交換 … 1,000~2,000円(年2回)

(+工賃 1,000~1,500円)

●タイヤチューブ交換 … 1,000~2,500円(年2回)

(+工賃 2,000~3,000円×前後輪2本分)

●パンク修理代 … 500~1,500円(年3回程度)

  • 変動費合計(工賃込み)…34,500~66,500円

自分で修理・整備すれば工賃が浮いて年間19,000~30,000円も節約できますが、自分で修理・整備を行うのはオススメしません

自転車いじりが好きで、修理も含めて趣味なのであれば自分でやるのもいいと思いますが、多くの人はそうではないと思います。

間違った修理の仕方をしたり、中途半端な整備のままだと、乗っていても違和感があったり、十分なパフォーマンスを発揮できないことがあります。

私自身、プロに点検・整備してもらった後は、乗り心地や走りが変わって配達効率もよくなったと実感できます。

それだけのお金(工賃)を払う価値があると判断してプロにお任せするようになりました。

本記事ではクロスバイクの場合ですが、ほかの自転車での配達も検討中の方はこの記事もご覧ください!

原付バイク(50cc)の年間維持費

原付バイクの維持費は、一年間でこのくらいの金額になります。

  • 固定費+変動費 … 184,070268,070円

コチラも自転車と同様に、それぞれの費用の詳細を見ていきます。

固定費(毎年必ずかかる費用)

●軽車両税 … 2,000円

●自賠責保険 … 7,070円

※長期間契約すると安価に

●任意保険 … 12,000~25,000円

●定期点検費用 … 3,000~5,000円(年2回程度)

  • 固定費合計27,07044,070円

軽自動税は排気量によって変わります。

自賠責保険は125cc以下の場合、2年で8,550円、3年で10,590円、4年で12,300円、5年で13,980円とお得になります。出来る限りまとめて支払った方がいいです。

変動費(修理や消耗品の費用)

●ガソリン代 … 120,000~150,000円

(400~500円/1日)

●オイル交換代 … 12,000~30,000円

(1,000~2,500円/1月)

1,000~2,500kmを目安に交換

●ブレーキパッド交換代 … 12,000~20,000円

(3,000~5,000円/3ヶ月に1回)

5,000~10,000kmを目安に交換

●ベルト交換代 … 8,000~15,000円

12,000~20,000kmを目安に交換

●ヘッドライト交換代 … 4,000~7,000円

(2,000~3,500円/半年に1回)

●テールランプ交換代 … 1,000~2,000円

(500~1,000円/半年に1回)

  • 変動費合計157,000224,000円
  • 工賃込みの金額で計算しています。

原付バイクにかかる維持費の大部分はガソリン代です。急発進・急停止をしない、適正な空気圧を保つ、などで燃費は改善することができます。

また、バイク自体の性能によっても燃費は大きく左右されます。新聞配達や郵便配達に使われるスーパーカブは非常に燃費が良く、まさに業務用といった原付です。

これから新しく購入を検討するのであれば、燃費も重視して選ぶといいでしょう。

これ以外にも、数年に1回交換が必要なものもあります。専業配達員だと走行距離が長くなるので、一般的な使い方に比べて交換時期は早くなります。

●前後タイヤ交換代 … 3,000~5,000円(1.5年に1回程度)

●バッテリー交換代 … 5,000~20,000円(2年に1回程度)

ライトやバッテリーなど、簡単に交換できて細かな調整が必要ないものに関しては、自分でやれるようになると工賃が浮いて安く済みます。

自転車に比べると原付バイクの方が配達は楽ではあるのですが、維持費は2~3倍程度かかってしまうことは覚えておいた方がいいです。

この辺りの費用も加味して、自転車と原付バイクのどちらで配達するか検討しましょう。

維持費用を抑える工夫

いきつけの整備屋を見つける

同じお店に何度も点検や修理に行って顔なじみになると、悪くなっている箇所や必要な部品をある程度把握してもらえるようになります。

交換時期に合わせて部品の在庫も確保してもらえるようになったり、修理が必要な箇所を見落とされにくくなったり、要するにかかりつけの病院みたいなイメージです。

また、私の場合は何度も足を運ぶうちに店主さんと仲良くなって、ブレーキ調整や簡単な整備は無料で行ってもらえるようになりました。こういうサービスはありがたいですし、自転車のヘビーユーザーとしては心強いですね。

駐輪場所にこだわる

駐輪場所は非常に大事です。必ず雨が当たらない場所に駐輪しましょう。

雨に当たるとサビや劣化につながって、部品交換が早まってしまいます。

共用の駐輪場では、出入りが激しく自転車を倒されて部品を破損なんてこともあります。実際、私は知らないうちに自転車を倒されていて、修理に1万5千円もかかったことがあります。

自分しか使わない駐輪場、もしくは玄関などに置くか、部屋にスペースがあれば室内保管にしてもいいくらいです。いたずら・盗難対策にもなります。

道具は出来るだけ大切に、野ざらし駐輪は絶対やめましょう。

雨の日に必ず車体を拭く

先ほどの話の続きにもなりますが、自転車も原付バイクも本当に雨に弱いです。

サビだけは絶対に防ぎたいので、雨の配達で疲れている時でも、簡単でいいので必ず拭くようにします。

チェーンを中心にサビ止めのスプレーをかけるとなお良いです。

私は、こういった簡単な整備をし始めてから、前年比で修理代が1万以上安く済むようになりました。

本記事では原付(50cc)の場合ですが、125ccでの配達も検討中の方はこの記事もご覧ください!

まとめ

車両の維持費って想像以上にかかるんだなと感じた方が多いのではないでしょうか。

サラリーマンやアルバイトだとこういった経費は会社に出してもらえますが、配達員は個人事業主なので全て自分で出さないといけません。

収入だけを見るのではなく、支出も考えて手元にいくら残るのかをきちんと考えていきましょう。

フードデリバリーの仕事は、自転車や原付の調子が悪いと配達効率が下がってしまうし、下手したら事故やケガの危険性まで高まってしまいます。

修理や点検にかかる費用はケチらずに必要経費と割り切って、常に万全な状態の車両で効率良く配達することを目指しましょう。